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平成10年度滋賀県水産試験場事業報告


2.イサザ等特産種資源対策研究費 より抜粋
 
  2)ワカサギの資源管理を目的とした繁殖の制御方法
 
井出充彦
 
  【目的】'94年以降、琵琶湖でワカサギが漁獲されるようになり、近年は重要な漁獲対象魚種となりつつある。一方で、秋にはアユ仔魚を捕食することも明らかになった。ここでは、将来的に資源管理を行う必要が生じることを想定し、繁殖の制御と助長の両対策について、これまでの産卵期における調査結果等を基に、その方法を考察した。
  【調査結果概要】
産卵期:1月下旬〜4月上旬で、産着卵量のピークは3月中旬であった(図1)。
産卵場所:主に河川の河口から数km以内の砂礫〜礫底であった。河床の水草や河床に設置した人工産卵基体(キンラン)にも産卵した。産卵河川は図2に示した。
 
親魚の産卵遡上:遡上の中心は日没後約1.5時間の19:30から21:30で(図3)、産卵後、日の出頃までには降湖した(河川下流部でのトラップによる採捕試験結果)。
 
堰堤等の遡上:産着卵調査の結果、梁の石積みや堰堤のある河川では、比較的小さな落差でもそれ以上産卵遡上しないことが判明した(例 大川の取水堰堤で23cm)。
 
過密産卵:知内川では梁の石積み(河口から500m)で産卵遡上が阻害された結果、梁の直下が過密産卵となり死卵率が高まった('96年3月26日時点の死卵率は75.7% 図1)。
 
漁獲特性:例年、産卵期に産卵河川の河口付近のエリ(定置網)で比較的多く漁獲された。また、資源が少なかった'97年においても、沖曳網(底曳網)では比較的多く漁獲された。
 
  【繁殖の制御方法の考察】
過密産卵の促進と防止 (抑制)堰堤状の構造物を設置し産卵場を狭め、過密産卵を促進する。 (助長)梁の石積み等で遡上阻害された親魚を採捕した後、上流へ再放流し、過密産卵を防ぐ(産卵行動に影響を与えない採捕の方法は検討が必要)。
 
産着卵の除去と採卵による管理 (抑制)人工産卵基体を設置し産着後に取り上げて卵を除去する。 (助長)産卵遡上親魚やエリ漁獲物から採卵し、ふ化まで管理する。
 
親魚の積極的採捕と保護 (抑制)産卵期に産卵場内や河口付近で投網や定置網を用い採捕する。沖曳による積極的漁獲により親魚を採捕する。 (助長)産卵期を禁漁とする。
 
 
(図1 知内川産卵量の推移('96年), 図2 ワカサギの産卵河川('95〜'99年), 図3 遡上魚採捕尾数の推移('96年3月19日知内川))へのリンク