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平成10年度滋賀県水産試験場事業報告


2.資源管理推進調査事業費 より抜粋
 
  1)ニゴロブナ小型魚資源からの来季ニゴロブナ漁獲資源予測の試み
 
根元守仁
 
  【目的】
   ニゴロブナ資源を管理していくには、資源状況を正確に把握しておくことは重要なことである。今回は、小型魚の資源量、成長等について検討し、小型魚資源から北湖における来季漁獲対象資源の推定を試みた。
 
  【方法】
   1992年度から毎年、耳石にALC標識を施したニゴロブナ種苗を放流し、冬期には沖曳網および刺し網での漁獲魚からそれら放流種苗の再捕調査を行ってきている。これらの結果から、沖曳網での漁獲物に含まれる秋季放流魚の混獲状況から資源尾数を推定するとともに、標識種苗から成長について解析し、資源予測法について検討した。
 
  【結果】
1. 冬期における小型魚(全長180mm未満)の資源尾数を、沖曳網で漁獲されたニゴロブナに含まれる秋季標識種苗の割合からピーターセン法により推定したところ、表1のAのようであった。
 
2. 冬季から翌冬季までの成長を調査するため各標識魚の体長組成を調べたところ、沖曳網と刺し網では体長組成が異なっていた。そこで、各標識魚について当歳魚の冬季に再捕された最小個体にものが翌冬季に再捕された最小個体のものに、最大個体のものが最大個体のものに成長したと仮定して解析した。その結果、当歳魚の冬季の体長(x)と翌冬季の体長(y)の関係は、y=1.20x+54.93 (R^2=0.824) で表された(図1)。
 
3. 冬季から翌冬季までの生残率は、冬季から1年後の漁獲対象までの生残率e(%)と冬季の体重(w)gとの関係e=-33.8+35.51ln(w)(藤原、1997)を用いて推定した。
 
4. 上記結果から小型魚資源の翌冬季の資源量を推定すると、表1のBのようであった。
5. 刺し網での漁獲物は、これまでの調査結果から、どの年度でも体長170mm〜180mmにピークが見られた。そこで漁獲対象資源は図3で示したように刺し網での体長組成で示される分およびそれより大きな分とし、推定された漁獲対象資源は表1のCのようであった。そして、93〜95年について農林水産統計と比較すると、農林水産統計の漁獲量が少ないときには推定漁獲対象資源も少ないという傾向がみられた。
 
 
(表1 各年度の資源量推定結果, 図1 当歳魚冬季と翌年冬季の体長の関係, 図2 刺し網での漁獲物の体長組成, 図3 1996年小型魚資源から推定された翌冬季の資源および漁獲対象資源)へのリンク