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平成11年度滋賀県水産試験場事業報告


2.イサザ等特産種資源対策研究費 より抜粋
 
  1)ブルーギルの分布状況とその食性
 
孝橋賢一・片岡佳孝
 
  【目的】
   近年、ブルーギルが異常に増えており、琵琶湖在来種への影響が心配されているが、その分布は湖岸に一様に分布しているわけではなく、パッチ状に分布している。
   そこで琵琶湖湖岸の15地点において小型曳網を用いて稚魚などの採集を行い、分布状況を検討した。また同時に在来魚種への影響を推測するため胃内容物調査も同時に行った。
  【方法】
   琵琶湖沿岸の主にヨシ群落などにおいて小型曳網(袋網部0.9mm角口、片袖長さ2.5m)を用い採集を行った。採集した稚魚は10%ホルマリンに固定して持ち帰り、魚種と体型を調査した。そのうちブルーギルに関しては胃内容物の種類別個体数調査も同時に行ったが、胃内容物中に出現した植物に関しては、胃内容物に占める割合を大まかに3段階(+:全胃内容物に対する割合30%、++:同割合60%、+++:同割合90%)に分け評価した。
  【結果】
   琵琶湖湖岸の調査地点を表1に示した。この15地点の第7〜8次調査までで稚魚、成魚も含めブルーギルが1尾も採集できなかった地点は鵜川、真野、大中、二本松、針江の各地点であった。なお、このうち針江ではオオクチバスの稚魚は1,442個体採捕されたものの、ブルーギルは採捕されなかった。逆にブルーギルが多かった地点は、衣川(全採捕尾数に占めるブルーギルの割合:80.4%)、矢橋(同率:64.9%)、月出(同率:78.2%)であった。
   調査次別にブルーギルの採捕尾数をみると、5月調査次が最も少なく、全地点1曳網平均1.15尾であったが、6月、7月の調査では各々、同平均3.11尾、3.97尾と5月の2倍以上採捕された。
   ブルーギルの胃内容物調査では個体数でユスリカが最も多く、ミジンコ、魚卵、仔魚・稚魚の順で多かった。体型別には体長20mm以下ではミジンコ・ケンミジンコで占められ、その中でもミジンコが88%を占めていた。その後、体長30mm程度でユスリカが出現し、50mm以上になって、仔魚・稚魚、魚卵が出現した。胃内容物中にみられた植物体は体長が40mm以上の個体から見られ、また大きいものほど胃内容物に占める割合が多い傾向が見られ、体長50〜60mmのものでは約3.1%であったものが、100mm以上のものでは23%を占めていた。
 
(表1 調査地点概要, 表2 全調査期間における各地点の魚類採捕尾数, 図1 採捕したブルーギルの全胃内容物個体数に占める各餌料生物の個体数割合, 図2 ブルーギル1尾の胃内容物容積に占める植物の平均容積, 図3 植物が胃内容物に出現したブルーギルの個体数頻度)へのリンク