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平成12年度滋賀県水産試験場事業報告


4.資源管理推進調査事業費 より抜粋
 
  2)北湖におけるニゴロブナ当歳魚の資源尾数推定
 
三枝仁・遠藤誠・太田滋規・金辻宏明
 
  【目的】ニゴロブナの漁獲を回復するべく、滋賀県では資源管理型漁業を促進している。水産試験場ではニゴロブナ当歳魚資源尾数を調査し、毎年度に加入尾数の把握に努めている。そこで、本年においても標識放流による調査をおこない、当歳魚資源尾数を推定するとともに、平成6年度以降の調査結果を比較した。
  【方法】調査は標識放流によりおこなった。標識放流に用いた供試魚は平成12年5月に採卵し、11月まで飼育した体長約87.99mmのニゴロブナ45,800尾を用いた。標識はALCによる耳石標識を施した。標識魚の放流は平成12年11月7日に琵琶湖北湖の沖合6水域にほぼ均等になるように分けておこなった。標本は平成12年11月から平成13年3月までに琵琶湖北湖で行われた沖曳網漁業の漁獲物より抽出した。標識魚の確認は全ての標本から耳石を取り出し、ALC標識を確認することによっておこなった。当歳魚資源尾数の推定は標本中の標識魚混獲率からピーターセン法を用いておこなった。
  【結果】平成12年11月から平成13年3月までに収集した標本は5,431個体であった。このうち、本調査で放流した標識魚が208個体含まれていた。また、標識の無いもの(無標識魚)が3,992尾含まれていた。この無標識魚の内には、年齢が1年を越えるものも含まれており、当歳魚と分離する必要がある。そこで、無標識魚の体長組成(図1)を作成したところ、明らかに2つ以上の体長分布ピークが認められた。このピークのうち、最も体長の小さいものが当歳魚であると判断し、次のピークとの境界を体長135mmと考え、境界値未満のものを当歳魚として扱った。このことより、標本中の標識魚を含む当歳魚数は4,366尾であるとし、ピーターセン法を用いて琵琶湖北湖における当歳魚資源尾数を推定すると、約961,000尾であると考えられ、95%信頼限界は上限1,112,000尾、下限487,000尾であると推定できた。次に、過去の当歳魚資源尾数と比較したところ、推定資源尾数の多かった平成11年度に対し平成12年度は約半数分に減少していた(図2)。これは平成12年度当歳魚が、推定資源尾数の少なかった平成9年度および平成10年度産のニゴロブナを親に持つためではないかと考えられた。
 
(図1 ニゴロブナ標本中における無標識魚の体長組成, 図2 ニゴロブナ当歳魚推定資源尾数の年度比較)へのリンク