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遊漁施策とは何か

5.D−J法
 D−J法とは、1950年に制定された米国の遊漁制度です。当時の米国では、所得の増加や道路交通網の発達などにより、アウトドアレジャーを楽しむ人たちが増え続けていました。釣りも、そんなレジャーの一つでした。

 しかし、それまで釣りの分野で実施されていたライセンス制は、釣りたい魚を釣りたいだけ放流するという、ちょうど今の我が国における、第5種共同漁業権制度が抱えるものと同じ問題に悩まされていました。それが、第1次世界大戦の前後から始まっていた、急速な工業化や、大規模な開発と相まって、釣魚の減少と、釣り場環境の荒廃をもたらしていたのです。

 そんな中、連邦政府は、釣具などの製造業者の出荷額に対して10%の課税を行い、そうして集まった税金で基金を作り、そこから州政府の遊漁政策に補助をする仕組みを作りました。これが、D−J法です。このような仕組みは、D−J法の制定される以前から、狩猟の分野で実施されていたP−R法を下敷きにして作られました。

 D−J法は、ライセンス制がこれまでやってきたような無計画な放流などの事業に資金を使うのではなく、調査や、環境保全に資金を投下し、その結果として釣魚の増加や釣り場環境の整備を目指しました。

 連邦政府の基金は、州政府を通じて、多様な活動に投下されるのですが、そこには制限もありました。連邦政府に活動の結果を報告し、連邦政府はその報告を審査して、評価できる活動にのみ、後払いの形で資金を与えたのです。

 D−J法には、釣り人の増加が釣り関連の産業を振興させ、そうやって生まれた利益の一部が調査や環境保全に使われ、さらにそれが釣魚の増加や釣り場環境の整備につながり、そしてまた釣り人が増加するという、“正方向の循環”を生み出しました。そうすることによって成功を収め、環境保全の分野でも高い評価を得ています。

2006年11月30日 辻井 豊
国内におけるD−J法の資料としては以下のようなものがあります。


「川の自然を生かす アメリカのレクリエーション」財団法人 日本生態系協会
http://www.ecosys.or.jp/eco-japan/publication/america_no_rec.htm


「アメリカ 釣り事情 視察団報告」1984年4月1日発行 財団法人 日本釣振興会

(訪米は、昭和57年6月6日〜18日にかけて実施されました)

 上記文書より、以下はD−J法に関する記述の一部。

「D−J法、釣具物品税、ライセンス、「米釣振」の資金面」(P.26-28) 第3部会 高宮義諦、都留正義

「スポーツフィッシングの育成に対する連邦政府と州政府の25年に及ぶ協力」(P.149-182)
(副題:1950〜1975年 魚類保全計画に基づく連邦政府援助資金の援助の成果)


参考

「D−J法原文と参考ページ(英文)」

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