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「安定した経済成長を実現するために」

〜消費者と企業に求められること〜
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「4.産業構造と労働力の分布」




4−(1).安定な経済 産業構造と労働力の分布が一致する



 労働者は、誰でも、どんなことでもできるわけではありません。仕事の種類と量もそうです。その仕事の種類と量、すなわち産業構造が、労働者の能力の分布、すなわち労働力の分布と一致すると、人手不足に陥る産業分野が減り、失業者も減少ります。このような状況になると、経済は安定します。




4−(2).不安定な経済 産業構造と労働力の分布が一致しない



 何かの要因で、産業構造の転換を迫られると、それに合わせて、労働力の分布も変える必要が出てきます。それができないと、人手不足に陥る産業分野が増え、失業者も増加します。このような状況になると、経済は不安定になります。

 労働者の能力、すなわち労働力は、学校教育と、就労してからの実務教育によって形成されます。就労した先での実務教育を、学校教育や、公的な職業訓練で代替することは困難です。

 現在の我が国では、労働者全体に占める非正規雇用労働者の割合が、3分の1に達しています。雇用者は、労働力の流動化を求めました。必要な時に、必要な場所で、必要な労働力、すなわち即戦力となる労働力の供給を求めたわけです。

 例えば、派遣会社に、就労環境下での実務教育の場を用意しているところが、どれだけあるでしょうか。そもそも、そのような、就労環境下での実務教育の場を、コストとして切り捨ててきた結果が、今なのです。これでは、産業構造の転換に合わせた、労働力の再配置もできません。

 我が国の産業構造を、労働集約的な産業中心から、知識集約的な産業中心へと転換させるべき、そう主張する人がいます。確かに、それはその通りなのでしょう。しかし、そのような転換を実現するためには、産業構造に対して、労働力の分布をマッチングさせることが必要不可欠です。そしてそためには、雇用者が、リスクとコストを覚悟して、就労環境下での実務教育の場を、再構築する必要があるのです。




2009年08月26日 辻井 豊


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