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「安定した経済成長を実現するために」

〜消費者と企業に求められること〜
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「2.外需と内需の関係 一次産業の場合」




2−(1).出て行くものと入ってくるもの 企業などの側を単純化してみる



 一次産業の分野について、出て行くものと入ってくるものを模式的に、思い切って単純化して表したものが上の図です。実際には、機械や漁具、燃料、肥料や農薬など、様々なものが一次産業には必要です。これを思い切って省力し、天然資源の生産能力と、労働力だけで生産活動が行われるとします。その上で、企業の側に蓄えや損失が全くないとすると、被雇用者に支払われる賃金は売上と同額になります。




2−(2).出て行くものと入ってくるもの 家庭の側を単純化してみる



 家庭について、出て行くものと入ってくるものを模式的に、思い切って単純化して表したものが上の図です。家庭の側に蓄えや損失が全くないとすると、全ての賃金収入が、製品やサービスの購入に充てられることになります。




2−(3).内需と外需の関係



 ここまでをまとめると、上の図のようになります。家庭での消費のうち、海外からの製品やサービスの割合が増えるほど、経済の外需依存を高めることになります。売上を確保するため、賃金を確保するために、海外に販路を求める必要がでてくるからです。

 実際の一次産業では、2−(1)で省略した、機械や漁具、燃料、肥料や農薬など、様々なものが必要です。そして、それらのものには、輸入製品や、輸入したものを原材料にして作られるものもあります。一次産業以外の場合でも見てきたように、それらを使用する割合が高まるほど、経済の外需依存は高まります。

 原価のうち、労務費(被雇用者へ支払われる賃金)の割合が高いと、その産業は効率が悪いと言われます。しかし、一次産業の場合は逆なのです。なぜなら、天然資源の生産能力をできる限り利用し、機械や漁具、燃料、肥料や農薬などの使用量を減らすほど、原価に占める労務費の割合が大きくなるからです。機械や漁具、燃料、肥料や農薬などの使用量を減らす。例えば、旬のものは旬の時期に収穫する。環境保全に努め、天然資源の再生産能力を高める。収穫量を維持しながら、それらが行われるならば、それは一次産業の効率を高めることになるのです。

 生産物を海外へと販売してゆく場合だけでなく、国内に輸入される海外の生産物も増え、そらら海外製品との競争は、これからますます激しくなってゆきます。

 そんな状況の中で戦ってゆく方法の一つに、高付加価値戦略があります。しかし、この高付加価値戦略は、どこでも、だれでもできるわけではありません。どのようなやり方を選ぶのか、国全体で一つの道を選択するのではなく、柔軟に、地域にあわせた選択を行う必要があります。

 一次産業を振興してゆくためには、一次産業の生産物を、わたし達消費者が積極的に購入し、市場を形成し、維持してゆくことが必要です。1960年代における我が国の米飯消費は110kg以上でした。現在は、その半分の60kgしかありません。これでは、市場の形成も、維持も不可能です。




2009年08月26日 辻井 豊


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