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「安定した経済成長を実現するために」

〜消費者と企業に求められること〜
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「1.外需と内需の関係 一次産業以外の場合」




1−(1).出て行くものと入ってくるもの 企業などの側



 一次産業以外の分野ついて、出て行くものと入ってくるものを模式的に表したものが上の図です。様々なものの出入りで成り立っています。




1−(2).出て行くものと入ってくるもの 企業などの側を単純化してみる



 図−1−(1)を思い切って単純化したものが上の図です。一次産業でない産業、特に製造業の場合には、必ず仕入れが発生します。ですから、企業の側に蓄えや損失が全くないとしても、被雇用者に支払われる賃金は、売上を下回ることになります。




1−(3).出て行くものと入ってくるもの 家庭の側



 家庭について、出て行くものと入ってくるものを模式的に表したものが上の図です。様々なものの出入りで成り立っています。




1−(4).出て行くものと入ってくるもの 家庭の側を単純化してみる



 図−1−(3)を思い切って単純化したものが上の図です。家庭の側に蓄えや損失が全くないとすると、全ての賃金収入が、製品やサービスの購入に充てられることになります。




1−(5).出て行くものと入ってくるもの 市場を単純化してみる



 市場について、出て行くものと入ってくるものを模式的に、思い切って単純化して表したものが上の図です。物の動きと、お金の動きに大きく分かれます。お金の動きの中でも、企業などの売上は、内需と外需に分かれます。その内需と外需は、それぞれ企業などの仕入れから発生するものと、家庭が製品やサービスを購入することで発生するものとに分かれます。




1−(5).内需と外需の関係



 ここまでをまとめると、上の図のようになります。家庭での消費のうち、海外からの製品やサービスに費やす割合が増えるほど、経済の外需依存を高めることになります。売上を確保するため、賃金を確保するために、海外に販路を求める必要がでてくるからです。

 また、家庭で購入される製品やサービスが国内のものであっても、そこに使われている材料などが、海外からのものである場合には、その割合が増えるほど、やはり経済の外需依存を高めることになります。国内での調達(仕入れ)が減少すると、その製品を製造していた企業などは、売上を確保するため、賃金を確保するために、海外に販路を求める必要がでてくるからです。

 これまで我が国は、加工貿易によって経済を成長させ、維持してきました。そんな中で、わたし達の身の回りにも、海外から輸入された製品や、輸入された原材料などを使用した製品が、どんどん増えてゆきました。わたし達の、そんな消費行動も、経済の外需依存を高めてきた原因の一つなのです。

 しかし今、我が国の加工貿易は岐路に立たされています。円高のために、やむを得ず選択した高付加価値戦略が、上手くゆかなくなってきました。例えば、パソコンと携帯電話。各国の消費者は、そこそこの性能で、そこそこの価格の製品を求めるようになってきたのです。

 そこそこの性能で、そこそこの価格の製品に対する需要は、新興国の発展に伴って、さらに大きくなってゆく可能性があります。このような状況の中で、高付加価値戦略を見直し、同じ土俵で勝負しょうとしたならば、そのためには、人件費を切り詰める必要が出てきます。人件費の安さを求めて、海外に移転する生産現場が、さらに増えてゆくことになるのです。

 一次産業以外の分野では、今後、外需依存がますます高まってゆくことでしょう。なぜなら、わたし達の身の回りには、海外から輸入された製品や、輸入された原材料などを使用した製品が、今後も、どんどん増えてゆくだろうからです。

 外需を維持するために、製造現場の海外移転が増えると、我が国の消費者に支払われる賃金の合計は減少します。国内市場は縮小し、その分だけ、さらなる外需が必要になります。これは負の方向の循環です。回避する方策を見つけ出し、実行してゆかなければ、我が国の経済は縮小してゆくことになります。




2009年08月26日 辻井 豊
2009年09月04日 図−1−(5)を訂正 辻井 豊

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