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「ドブに水を貯める」
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「ドブに水を貯める」
〜都市の保水能力を少しだけ回復させる〜


1.水を貯める力が町にあった

 下水道が普及する前の都市部には、家々の間を無数のドブが走っていました。家庭で使った炊事や洗濯の排水、屋根に降った雨水は直接、あるいは汚水升で残飯やゴミを沈殿させたあと、このドブに流されていました。ドブに流された水は、町中に点在する田んぼや畑で利用されることもありました。ドブにはいつも水が溜まっていて、そこにはイトミミズや小さな巻貝などが棲んでいました。ボウフラもわきました。土砂やゴミもすぐ溜まるので、町内のみんなでドブ浚いをやりました。でもそのおかげで、雨が降ってもいくらかの水は町そのものに貯まります。町中を流れる小さな川の水位も、今より多少は緩やかに増減しました。


図−1


2.乾いてしまったドブ

 下水道が普及すると、家庭排水や屋根に降った雨水は直接、あるいは汚水升や浄化槽を通ってから下水道へ流されるようになりました。水の流れなくなったドブは乾いてしまい、そこに棲んでいた生き物たちも姿を消してゆきました。そうなったドブは埋められたり、蓋をされて地下を流れるようになったり、下水道へ流れるように付け替えられたりしました。そのせいで、雨が降ると雨水は一気に川へと流れるようになりました。町中の小さな川は、この雨水を受けて急激に水かさを上げるようになります。都市型洪水の危険が増してしまったのです。


図−2


3.ドブに仕切りを入れて雨水を貯める

 ドブに仕切りを作ると水を貯めることができます。今あるドブに仕切りを作ったり、埋められたり、蓋をされてしまったドブを元に戻して仕切りを作れば、もともと町が持っていた水を貯める力を、少しだけ蘇らせることができます。家庭の屋根に降った雨水も流すようにすれば、さらにその力は蘇ります。もちろん土砂やゴミも溜まります。ボウフラもわきます。ですから頻繁に手入れが必要になります。でもそれは、もともと町を維持するために必要だった仕事なのです。


図−3


4.ドブから雨水を地下へ

 道路を作ったり、家を建てたりするときに、雨水を流す側溝も作ったりします。この時に作られる側溝は、蓋をされ、下水道に直結されて、とにかく雨水を早く流すために作られます。でもこの時、一緒に作られている歩道の様子を見ていると、透水性レンガを敷いて水を浸透させる工事が行なわれていたりします。どうせならこの時、側溝も今までのような形ではなく、開放型にして、水を貯めることのできるドブにできないものでしょうか。さらにドブの底を工夫して、雨水を地下へと浸透させる構造にするとか。









2009年07月22日 辻井 豊


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