×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

「釣り人の組織率を計算する方法」
目次へ戻る


「釣り人の組織率を計算する方法」
〜他の分野では常識のやりかた〜


1.自主的ルール作りの動き

 大阪港の釣り禁止騒動を契機に、釣り人団体の間で自主的なルール作りの動きが出てきました。このようなことは今までもあったことなのですが、なかなかうまくゆきませんでした。その理由の一つには、釣り人が組織化されていないということが上げられます。

 これまで、釣り人の動向は、漁業センサスや、地方自治体が時たま実施するアンケート調査などで把握されてきました。これらの方法は、調査する場所が漁業権のある釣り場などに限られていたり、期間も特定の時期に限定されていたりします。ですから、釣り人全体の状況をぼんやりとしか把握できません。他方、組織化されている釣り人、つまり釣り人団体に所属している人たちについては、ある程度動向を把握することが可能です。しかし、釣り人全体の動向がぼやけているのでは、そうやってせっかく調査した数字も、サンプルの状態を示しているだけにしかなりません。母集団である釣り人全体に適用することはできないのです。なぜなら、釣り人の全体像がぼやけているために、釣り人団体の、釣り人全体に占める位置、割合がわからないからです。
 そんな状態で、釣り人の団体が集まってルールを作ったとしても、それが一体どれだけの意味を持つのか、裏付ける数字がありません。がんばってルールを作りました。たくさんの人たちに守ってもらいたい。これではルールを作る前と何も変わりません。ルールを作りました。今年度は全体のAA%の人が遵守することを目標とします。次年度はBB%を目指します。ここまで出来て、初めてルールを作った意味があります。


2.消費地こそ人と物、お金が動く場所

 釣り場は少なくなったとは言え、まだまだ全国無数にあります。そして釣り人も神出鬼没です。釣り人は、好きな釣り場に、好む時に足を運びます。こんな状態で、現場に調査員を配置して釣り人の動向を把握しょうとすると、大変な労力と費用が必要になります。かといってサンプリング調査ではこれまでと同じです。サンプリングした場所、時期にしか適用できない数字を集めることしかできません。釣り場の現地調査では、釣り人全体を示す数字を集めることはできないのです。

 しかし、釣り人のほとんどが必ず足を運ぶことろで、しかも有能な調査員の常駐している場所があります。それは釣具店です。そして、有能な調査員とは、ネットワークに接続されたPOSレジのことです。釣道具やエサを購入した延べ人数、購買金額、日時、場合によっては性別、年令構成に至るまでの情報が、そこでは収集可能な状態にあります。

 いろいろな業界の市場動向は消費地で調査されています。消費地とは購買行動が行われる場所のことです。様々な業界は、消費地で膨大なデータを集め、蓄積してきました。そのようにして集められた情報には、政治や行政を動かす力があります。釣りとて例外ではありません。釣り人の動向情報収集に適した場所は、釣り場ではなく、釣り具店なのです。


3.釣り人の組織率を計算する方法

 では、釣り人団体の釣り人全体に占める位置、割合を計算する方法を以下に示します。

(1).釣り人団体に所属している人のデータを集める。
 人数(ユニーク数)、釣り具店で物品を購入した回数(延べ回数)、左記釣り具店の所在地、日時、年令、性別、これだけの情報を最低1年間収集します。

(2).POSレジの情報を入手する
 なるべく全国展開している、できれば複数の釣り具店からPOSレジのデータを提供してもらいます。釣り具店で物品を購入した回数(延べ回数)、左記釣り具店の所在地、日時、年令、性別、これだけの情報を最低1年間収集します。

 上記の(1)と(2)では、(2)のほうに、人数(ユニーク数)という項目がないだけです。これが未知変数となります。未知変数が一つだけなので、両者の情報を比較することで(場所、金額、年令、性別が同じ層を取り出して比較する)、この未知変数をかなり正確に推計することが可能となります。釣り人の組織率=釣り人団体に所属している人数(ユニーク数)÷釣り人全体の人数(ユニーク数)ですから、これで特定の層の組織率を計算できます。また、POSレジのデータさえ揃っていれば、釣具店を訪れた層全体の組織率を計算することも可能となります。


 釣り人が自主的にルールを作ったとして、それにどれだけの影響力があるのかさえ、今はわからない状態です。こんな状態でルールができても、今までと同じ様に画餅に終わってしまいます。少なくとも、釣り人の組織率や、その地域的、時系列的な変化をいつでも把握できるようにしておく必要があります。

 理念だけでは、人もお金も動きません。行政と対等に渡り合おうとするなら、基礎的な数字だけでも揃えられるように、数字に強くなることが大切です。




2008年12月13日 辻井 豊
2008年12月13日 23:15 文章整形 辻井 豊


目次へ戻る