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「二酸化炭素の排出を削減?」
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「二酸化炭素の排出を削減?」
〜二酸化炭素排出権取引とカーボンニュートラルには要注意〜


1.二酸化炭素排出権取引で拡大した市場は環境に負荷を与えないか?

二酸化炭素排出権取引

 二酸化炭素排出権取引は、排出権の取引市場の新設や、それを予定する国や地域が現れるなど、新たなビジネスモデルとして市場では歓迎を受けています。それだけ儲けられる仕組みだからです。新設された取引市場だけでなく、二酸化炭素排出権取引は、もともと利益を生み出す仕組みを持っています。それを描いたものが図−1です。

 二酸化炭素の排出権取引に関わる企業には3つあります。二酸化炭素を大量に排出していて、そこに技術や設備を導入すれば二酸化炭素の排出を削減できるのだけれど、その技術や設備がない企業。二酸化炭素の排出量を技術や設備の導入によって削減し、これ以上の削減は難しい企業。そして、排出される二酸化炭素を削減する技術や設備も持っている、あるいは提供することのできる企業。これら3つの企業のうち、前二つの企業間で排出権が取引されます。3つ目の企業は、そこを市場として利益を得ます。二酸化炭素排出権取引が拡大しているのは、この3つ目の企業が利益を得る仕組みだからです。

 二酸化炭素排出権取引では、売買される排出権で表される二酸化炭素の排出量が削減されます。しかし、その取引で利益を得る3つ目の企業が排出する二酸化炭素の存在は考慮されていません。その企業の売上が拡大し、それに伴う二酸化炭素の排出量が、取引で削減された排出量を上回って増加すれば、二酸化炭素排出権取引に関わる企業全てをあわせた二酸化炭素の排出量は増えてしまいます。二酸化炭素排出権取引は、結局、二酸化炭素の排出量を増やしてしまう場合があるのです。しかし、3つ目の企業が、二酸化炭素排出権取引で排出権を取引する当事者で無い限り、この増加分が取引の表に出ることはありません。二酸化炭素排出権取引が、実際に二酸化炭素排出量の削減に役立っているのかは、わからないのです。


2.バイオ燃料の市場拡大は環境に負荷を与えないか?

カーボンニュートラル

 カーボンニュートラルとは、植物由来の燃料の消費によって発生する二酸化炭素は、その燃料の原料によって吸収される、だから植物由来の燃料の消費と、燃料の原料となる植物の生産が均衡していれば、二酸化炭素の排出と吸収はプラスマイナスゼロとなり、燃料の消費が二酸化炭素の増加にならないとする考えです。しかし、ここには誰にでもわかる“省略された部分”があります。燃料の原料となる植物の栽培、加工、販売の過程で排出される二酸化炭素が全く考慮されていないのです。それを描いたものが、図−2です。

 省略されている部分では、必ず二酸化炭素が排出されます。しかも、その市場が拡大するほど増えます。カーボンニュートラルの概念の普及は、結局、二酸化炭素の排出量を増やしてしまうのです。


3.二酸化炭素の排出だけが注目されるアンバランス

 地球の平均気温は上昇していると言われます。それは事実のようです。しかし、原因ははっきりとしておらず、これが人間の活動の結果なのか、それとも自然現象なのかもわかっていません。二酸化炭素には温室効果がありますが、油田や温泉の掘削、運用で排出されるメタンガスもそうですし、水蒸気もそうです。この二つのガスの温室効果は二酸化炭素をずっと上回ると言われています。このような状況で、二酸化炭素の排出だけに注目が集まるのは、それへの対策が、新たな市場を生むからです。

 二酸化炭素の排出をどれくらい削減すれば、どれくらい温暖化の防止に効果があるのか。定かな数字はありません。せいぜい、観測誤差ではないか?と疑ってしまうような数字があげられているだけです。にもかかわらず、世界中の企業が取り組んでいます。お金ががないと企業は動けません。機械を買うことができないし人も雇えないからです。儲かる見込みがないと、お金を借りることもできません。二酸化炭素排出量の削減は儲かる。そう見込んだ投資家や金融機関が企業にお金を貸し、企業は営業活動を行なう。結局、それが事実なのです。本気で二酸化炭素の排出量削減を考えるなら、化石燃料の大消費原因である、自動車の利用と生産を大幅に規制、削減することです。しかし、そんなことをすれば、倒産する企業が続出し、生活できなくなる人が溢れるでしょう。二酸化炭素の排出量削減が、盛んに喧伝される理由。それは、取り組まなければいけない重要なことだからではなく、儲かるから、なのです。

 二酸化炭素の排出量削減に取り組んだ結果、二酸化炭素はそれほど減らず、温暖化防止にもそれほど効果はなく、潤ったのは市場に関わった企業だけ。消費者にとっては、そこに流れるお金の使い道や、税金だけが増え、環境は少しも良くならず、生活も良くならなかった。そうはならないことを祈ります。




2007年10月13日 辻井 豊
2007年10月13日 21:00 文中に誤った記述がありましたので訂正しました 辻井 豊
・以下は訂正した箇所の訂正前の状態です
 二酸化炭素排出権取引では、売買される排出権で表される二酸化炭素の排出量はプラスマイナスゼロになります。しかし、その取引で利益を得る3つ目の企業が排出する二酸化炭素の存在は考慮されていません。その企業の売上が拡大すれば、二酸化炭素排出権取引に関わる企業全てをあわせた二酸化炭素の排出量は増えてしまいます。二酸化炭素排出権取引は、結局、二酸化炭素の排出量を増やしてしまうのです。


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