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「釣り界の言行不一致」
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「釣り界の言行不一致」
〜過去にできていたことが今できていない〜

 オオクチバスが特定外来生物に指定されようとしていたとき、オオクチバス小グループの会合では、釣り界の側から、猶予を設けて欲しいとの意見がありました。その理由とは、釣り人にバスの影響などの知識が周知できていない、このような状況下で特定外来生物に指定するならば、混乱が起き、防除に協力できない、とのことでした。小グループ会合では、他のことと合わせて、それらの現状も考量し、半年の猶予の後に、特定外来生物に指定する旨を結論しました。しかしながら、この決定がどうなったのかは、この記事を読まれるみなさんにはご存知の通りです。小池環境大臣(当時)の一声で、第1陣での指定が決定してしまいました。

 話し合いの結果が尊重されなかったからと言うわけではないのでしょうが、今、現在、釣り界の公的メディア、ホームページ、雑誌などに、釣り人に向けた、オオクチバスの拡散経緯や影響を解説したコンテンツは全く見当たりません。日本釣振興会にも、全日本釣り団体協議会のメディアにも存在してはいません。ごく一部の、駆除派側と目される団体のメディアを除いては。

 過去には、オオクチバスの拡散経緯が調査され、雑誌などのメディアに掲載されたことがありました。オオクチバスの与える影響を、研究者が解説した記事も掲載されました。釣り人から駆除派よりと批判されたメディアだけでなく、擁護派総本山と目されるメディアにも、そんな記事は掲載されていたのです。今から10年前、20年前の話しです。しかしながら、今、現在、そのようなコンテンツは見当たりません。逆の主張を掲げるコンテンツなら、いらくでも見つけることができますが。

 外来魚の防除作業に対する妨害は、現実のものとなっています。もちろん、それらの全てが釣り人によるものであるのかどうかは、わかりません。拡散経緯や影響を周知するコンテンツを設けたとして、それでそれらの行為が止むとも限りません。釣り人への心理的圧迫が、それらの行為を行なう人たちの心の根底にあるのならば、知識の周知は妨害行為の減少を生まないでしょう。

 ですが、過去にできていたことが、今できていない。この現状を、世間一般の人間が見たとき、どう感じるでしょうか。報道に携わっている人たちが見たとき、どう思うでしょうか。釣り界の主張を、信用して伝えてくれるでしょうか。オオクチバスの特定外来生物への指定に、猶予をお願いしますと、そう言ったときの理由を知ったならば、なおさらに。

 毅然とした態度とは何か。それは、外来魚の駆除に協力しますと公言することなのでしょうか。公言したとして、それをするのは一体誰でしょうか。釣り界の公的団体が、ほんとうになさねばならないこととは、一体なんでしょうか。


2007年01月07日 辻井 豊


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