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「釣り特区による遊漁振興は可能か?」
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「釣り特区による遊漁振興は可能か?」
〜規制(第5種共同漁業権における増殖義務など)はクリアできても地域の受け皿を作れるかが問題〜


 2003年4月1日に施行された「構造改革特別区域法」は、地方公共団体が地域の経済発展の為に実施する事業計画において、既存の法制度による規制が支障となるような場合には、その規制を緩和し、地域独自の経済発展を促進する目的で作られました。規制の緩和は、事業計画の実現性、経済発展の実現性と秤にかけられたうえ、政府が認めれば、法律を改正するなどして実現されます。さらに、そうやって実現した特区制度は、地域独自のものから全国的な制度へと拡大されることも有り得ます。地方公共団体の発案が、全国的な法制度を改革するきっかけになることもあるのです。


 では、この特区制度によって、地域の遊漁を振興させることは可能でしょうか?
 緩和の対象となる規制については、以下のようなものが考えられます。

1.漁業法における、第5種共同漁業権の増殖義務(使い道の制限)の緩和
 内水面における遊漁料の徴収根拠は、主にこの第5種共同漁業権によっています。しかし、この漁業権には増殖義務があり、遊漁料の運用は、この制限の為に魚の放流などに限定して使われてきました。この為、環境保全、釣り場の整備などに必要な費用を、遊漁料に加算して徴収することが難しく、河口湖町のように「遊漁税」として徴収している自治体もあります。

2.漁業法における、第5種共同漁業権の魚種指定の緩和
 第5種共同漁業権は、魚種を指定して都道府県知事から認可されます。このことが、前述の増殖義務と相まって、増殖可能な魚、言い換えるならば放流が容易な魚にのみ漁業権が認可され、内水面の釣堀化に拍車をかけてきました。

3.漁業法における、第5種共同漁業権の遊漁料の徴収、運用、管理の委託
 第5種共同漁業権は、地域の漁協に対して認可されます。従って、ほとんどの場合、遊漁料の徴収や運用は、漁協に任されてきました。そのため、過疎化、高齢が進む地方では、漁業権の維持そのものが困難となりつつあります。

4.上記、1〜4を海区にも適用可能とする
 第5種共同漁業権は、内水面にのみ認可されます。淡水域であっても、海区扱いの湖沼には認可されません。そのため、琵琶湖や霞ヶ浦では遊漁料の徴収は行なわれていません。


 ここに掲げた5つの規制を緩和できれば、第5種共同漁業権を柔軟に運用できるようになります。しかしながら、規制が緩和できたとしても、それだけで地域の経済発展がどれほど確実に実現できるのか、そこが問題となります。遊漁料の徴収と運用、管理は、漁業権が設定された水域全てをカバーするものでなければならず、その仕組みを作り上げ、維持してゆくことは並大抵のことではありません。遊漁の振興には、規制の緩和だけでは駄目なのです。遊漁料を徴収し、運用、管理する。それらを、公平かつ効率的にできる事業計画、仕組みの構築こそが、もっとも肝要なことなのです。反対に、そここそ十分にできたなら、特区制度による規制緩和は現実的なものとなるでしょう。




「構造改革特別区域推進本部」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/

「構造改革特別区域法」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/hourei/021211/021211kuiki.html

「小樽市 構造改革特別区域制度(特区)について」
http://www.city.otaru.hokkaido.jp/soumu/kikaku/tokku/tokku.htm
 特区制度について、とてもわかりやすく解説されています。


「漁業法」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S24/S24HO267.html




2007年01月05日 辻井 豊


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