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「書籍紹介」
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「今日の本棚 その1」


**1**
 自然復元特集5「淡水生物の保全生態学―復元生態学に向けて」 森誠一編
 1999年11月30日 第1版1刷発行 信山社サイテック
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797225173/ref=sr_aps_b_/250-2984466-4660258

 外来魚問題では、中井先生の論文で有名な書籍ですが、他にも参考になる多くの記述があります。個人的には、タウナギの分布拡大の話が一番面白かったのですが。天理教の伝道師が大正時代に食料の為に持ち帰った十数匹のタウナギが繁殖し、自力で峠を越えて(川ではない!!)三重県、和歌山県に分布を拡大する話が掲載されています。他にも、以下のものが参考になります。

2.5 ダムと魚道 森誠一 P.86-101
 P.88に、アユ放流時の混入の話が(著者自身の目撃)が載っています。

4.1 豊川水系の魚類相:移入種と多様性 浅香智也,森誠一 P.133-144
 P.137-138に、アユ放流時の混入の話が(著者自身の目撃)が載っています。ちなみに、オオクチバス、ブルーギル、ゲンゴロウブナなどが、遊漁のための放流と分類されています。

4.2 外来魚による生態系撹乱 東幹夫 P.145-153
 これが、昨日もお話した長崎県の事例です。「川と湖沼の侵略者 ブラックバス」にも同様のものが掲載されています。P.147に、ブルーギルの拡散経緯が載っています。わたしがこの掲示板に投稿したものが大雑把に書かれています。2000年当時の朝日新聞や、毎日新聞の外来魚に関する解説記事にも概ね同じことが書かれています。P.148には、調査水域へのブラックバスの導入経緯が載っています。ブルーギルを減らす目的で、ヘラブナ釣り人が公然とブラックバスを放流したのです。参考文献として、以下のものが紹介されています。
「外国産新魚種の導入経緯」丸山為蔵・藤井一則・前田弘也(1987) 水産庁研究部資源課,水産庁養殖研究所

5.3 琵琶湖におけるコイ科仔漁の初期生態―水位調節に翻弄された生息環境 山本敏哉・遊磨正秀 P.193-203
 洗い堰の水位調節による影響について書かれています。バスも影響を受けている可能性があります。この調査研究はネットでも紹介されています。例えば、矢作川研究所(http://hm.aitai.ne.jp/~yahagi/home.html)の「琵琶湖の水位調整がコイ科仔魚に与える影響について(http://hm.aitai.ne.jp/~yahagi/koumoku/syoukai/kenkyuuin/yamamoto/water_level.html)など。

(余談:この書籍に掲載されているのではありませんが、現滋賀県知事の国松氏は、県職員時代に矢作川の流域運動を勉強しにいってます。現在も現地のリーダーと友好があるとか。水政課長補佐時代には、国の政策に噛み付いてます「三全総(http://www.nishnet.ne.jp/~andou/zensou/kataru.htm)では琵琶湖の回りに人口をはりつける計画になっている。環境保全の体制も整っていないのに、これは困る」と言うような発言をしています。関連する記事が、1979年12月19日の中日新聞に掲載されています。国松知事、今はダム・空港の建設を推進しています。環境保全の体制はできたのでしょうか。。。「ただいま知事一年生」国松善次 に、この記述があります)

 ここで紹介した調査研究以外にも、面白いものがたくさんあります。大きな図書館なら置いてありますから、ぜひ一度、読んでみて下さい。

**2**
「沖島に生きる」 小川四良 サンライズ出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883251128/ref=sr_aps_b_/250-2984466-4660258

 沖島の漁師さんが書かれた本です。沖島の歴史だけでなく、琵琶湖の漁業の変遷が書かれています。漁業調整規則に関わるお話は、とても興味深いものがあります。魚が獲れなくなったり、売れなくなるに従い、厳しかった規制がどんどん緩和されて行く様子が書かれています。




「今日の本棚 その2」


**3**
「琵琶湖地域の総合的研究」 立命館大学人文科学研究所地域研究室 1994年3月25日 第1刷発行
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/489259217X/ref=sr_aps_b_/250-2984466-4660258

 琵琶湖地域を様々な視点で調査研究し、それをまとめたものです。漁業について、当時の漁業組合長の話が載っています。外来魚についてはどの漁協も頭を痛めていますが、多少の温度差があります。

第11章 琵琶湖における漁業の現状と問題点 杉野圀明 P.191-218
2.主要漁協の現況 P.201-211

2.1 沖の島の漁業について(沖の島漁協組合長談 1993年3月17日) P.201-205
 問題点 P.204-205 (以下は要約)
・琵琶湖総合初による〜
・川鵜〜
・ブラックバスは減ってきたがブルーギルが増えている〜

2.2 堅田の漁業のついて(堅田漁協組合長談 1993年8月24日) P.205-207
 問題点 P.207 (以下は要約)
・淡水魚の市場流通が確立しない〜
・価格の低迷〜
・外来魚については言うのも嫌なくらい〜、川鵜〜
・ヨットやボートが増えた〜、ゴミを捨てる〜

2.3 湖北の漁業について(朝日漁協組合長談 1993年8月26日) P.208-211
 漁業形態 P.208
・エリ漁
〜前略〜岸辺から直接エリを出すのではなく、10年前から水が汚染してきたのとブラックバスやブルーギルへの対策として、エリを沖出しするようになった。したがって、エリの長さは300メートルというものもあるが、岸辺からは1,000メートルないし、1,500メートルにもなるものもある。漁獲対象となる主な魚種はコアユで、体長は3〜5センチほどで、重さは1グラムで2〜3匹である。竹エリで獲っていた昔は佃煮の原料になる3〜5グラムのアユしか出荷しなかったが、今は元種苗として小さなアユまで出荷している。県などでは、これを種苗としている。また、コアユは活魚や養殖用の稚魚として、また他県への放流用の苗として出荷している。

(注意1.エリなどで沖獲りしたアユは飴だき用に向けましょうという協定が1950〜1960年代にはあったそうです。アユの沖獲りの技術は1950年代以前には未発達でした。河川で獲れたコアユは砂を食べており食用には不向きで値段が安いため(産卵期のコアユは砂食いアユというらしい)、これが放流用に充てられました。「アユの話」宮地伝三郎より これは、アユ研究の聖典とも言われる本です)

・養殖 P.210 (以下は要約)
 アユを5年前までやっていた。アユを遠くに出荷するために蓄養。今は個人経営が一つあるだけ。漁協としてはやっていない〜

 問題点 P.211(以下は要約)
・護岸工事の濁り〜
・ブラックバスは減ってきた。ブルーギルが増えている。タイワンドジョウやアメリカザリガニのように、いずれは減るのではないか〜
・食生活の変化で、加工食品は売れるが鮮魚が売れなくなった〜
・農業廃水は改善されてきた。今困っているのは、遊び人による汚濁である。

(注意2.1960年代くらいまでは、滋賀県には琵琶湖で取れた魚だけを売る魚屋さんがたくさんあったそうです。1980年代の琵琶湖における漁業生産は、アユが放流種苗用、スジエビが釣り餌用など、遊漁、レジャー向の部分が多かったそうです)



 今日の本棚はここまで、レスなどは後ほど。


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